慶應義塾大学 理工学部
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性別による能力の差など無い。目標に向かって歩み続けてほしい
〜 松尾亜紀子教授が、第15回世界計算力学会議の女性交流イベントで講演 〜

2023.05.01

パシフィコ横浜において2022年7月31日より6日間にわたって開催された、第15回世界計算力学会議(WCCM 2022)。その一環として8月3日にオンラインで実施された「Women’s Networking Event」に、機械工学科の松尾亜紀子教授がパネリストとして登壇しました。自身の特異な歩みを振り返りつつ語る、研究者としてのキャリア形成の要点は、若い女性研究者たちに大きな刺激と示唆を与えるものだったと話題になっています。

イベントを主催したのは国際計算力学協会の女性研究者部会(IACM-FRC)で、計算力学分野におけるジェンダーバランスの実現をめざし、若い女性研究者への支援活動を幅広く行っています。イベントでは、IACM-FRC議長のRekha Rao博士をはじめ関係者たちからの歓迎メッセージが紹介され、部会の活動報告がなされた後、パネリストとして松尾教授が登壇しました。

松尾教授は、当初大学の数学科に進学するも、幼少からの夢を追いかけ大学院で航空工学を専攻。民間企業への就職などを経て、大学教員を志したのは30歳を過ぎてからと、異色のキャリアを歩んできました。スピーチでは、幼少期から現在にいたるまで自身の様々な節目や選択・決断の過程を紹介しながら、研究者のキャリア形成における心得や重要点について語っています。その中で何度も強調したのは、研究という道において「性別による能力差など無い」ということ。「何かできないことがあるなら、それはまだ必要なことをしていないだけ。躊躇せず、どんどん前に進んでほしい」と参加者たちに語りかけ、「若い頃はあまり勉強しなかった自分が、今こうして大好きな研究を続けている。たとえ最初は思い通りにいかなくても、自分の情熱に従っていけば、必ず研究キャリアを成功させられる」と温かいエールを贈りました。

参加者からの質問には「自分はワーカホリック」と返すなど、その飾らない話に会場は盛り上がり、たくさんの共感の声が寄せられています。

最後に、ベストプレゼンテーションアワードが発表され、世界の女性研究者たちをつなぐ2時間のイベントが終了しました。