慶應義塾大学 理工学部
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慶應義塾大学理工学部長からの
メッセージ

慶應義塾大学 理工学部長

村上 俊之

理工学部・理工学研究科の発展に向けて、学内外より格別のご配慮を賜り厚く御礼申し上げます。 コロナ禍から抜け出し、規制のない自由な行動を気兼ねなく行えるようになったことはとても喜ばしいことですが、残念な諍いが絶えない状況も見られ、世界情勢の全てが必ずしも安定的な発展に向かっていないことは確かな状況と思います。また、カーボンニュートラルやSDGs等への要求は、社会的、政治的な要因が強いことは否めないものですが、異常気象や自然災害の発生状況から、科学技術の分野において積極的な対応が求められていることも事実かと思います。これに加え最近では、生成AIの急速な発展において、その悪影響を心配する声も多々聞こえてきます。

こうした中、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の考え方は一層重要になると考えています。世界におけるDE&Iの動向に鑑み、理工学部・理工学研究科において、多様性、公平性、包括性についての現状把握と将来に向けたあり方を、理工学部100周年を見据えた20年後に向けて検討することとしました。そのため、理工ダイバーシティ・インクルージョン検討WGを設置し、男女比率向上やジェンダーギャップ等に関する課題解消を目指し、ダイバーシティに関する様々な事項について今後の方針を明確化する試みを行っています。

こうしたことは、福澤先生が「文明論之概略」にも示されている “文明は人の智徳の進歩なりと云えり。然ば則ち爰に有智有徳の人あらん、これを文明の人と名くべきや。云く、然り、これを名けて文明の人と云うべし。” にも関係していることであり、DE&Iを意識しつつ、研究教育活動を通して我々が理想とする文明社会に繋がることを切に期待したいところであります。